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POPOLA CENTERKITA
用途
​専有面積
所在地
設計
施工
竣工
写真撮影 
: Community
: 150㎡
: Kanagawa, Yokohama

: ISHIKAWASAMBO
: Sense Project
: 2024.12
: Yoshinori Endo

リアルな話をしよう——ほとんどの託児施設は「とりあえず存在しているだけ」

ちょっと明るい色を使って、小さなテーブルを置いて、「楽しい雰囲気」をそれっぽく演出する。そんな場所がほとんど。

でも ポポラ センター北 では、まったく違うアプローチを取りました。すべてのデザインに意味を持たせる。それは単なるキャッチコピーではなく、コミュニティ・家族・創造性を空間そのものに組み込むこと。

ただお金をかけて見た目を良くするプロジェクトではありませんでした。細部までこだわり、何度も見直し、試行錯誤を重ねながら、本当に「居心地の良い」空間を作り上げました。

すべてをつなぐ「木のフレーム」

このリデザインの中心となるのが、特注の木製フレームです。

ポポラのスタッフと何度も話し合い、空間に最適な色の組み合わせを検討した結果、ツートーンのデザインを採用しました。上半分は木の温かみをそのままに、下半分は白で軽く塗装し、新旧の造作家具を自然につなぎます。

ただ木を組み立てただけではありません。すべての角を丁寧に丸く削り、どんなに小さな手が触れても安全な仕上がりに。さらに、見た目だけでなく機能性も考え、フレーム内にレール式の照明を埋め込むことで、すっきりとしたデザインを実現しました。

良いデザインとは、ただ美しいだけでなく、使いやすく、邪魔にならないこと。

家族が快適に過ごせる空間

まず、フレームの外にベビーカー専用の駐車スペースを設けました。ストローラーを抱えながら入口でバタバタしなくて済むように、というちょっとした工夫ですが、実はこういう配慮が大切。

室内に入ると、**「靴を脱ぐゾーン」が一目でわかるカラーフロアが広がります。そこには靴箱(玄関スペース)**と、特注のベンチシートを設置。

ここでちょっと特別な話を——**このベンチ、実は以前の造作家具の廃材をアップサイクルして作ったもの。**使えるものは捨てずに、新しい価値を与える。それもまた、デザインの力です。

「変化に対応できる空間」

さらに奥へ進むと、インタラクティブなTVディスプレイ付きの受付エリアがあり、スタッフが訪問者を温かく迎えます。

その先には、フライヤーラックや調節可能な洋服ラックを設置。ポポラでは毎月のイベントや季節ごとにレイアウトが変わるため、簡単にカスタマイズできるシステムにしました。

そして、ここにあるグラフィックデザインはすべてポポラのスタッフが手がけたもの。それを「Checonuts」がタフテッドカーペットアートとして形にしました。まさに本当のコラボレーション。

小さな気配りが、大きな違いを生む

さらに、収納スペース付きのドリンクステーションを設け、紙コップやティッシュをスマートに隠せるゴミ箱も組み込みました。

このエリアにはミーティングテーブルを配置し、ワークショップや交流イベントの場として活用できるように設計。

そして、木のフレームの外には、小さな畳スペースを設置しました。メインエリアのすぐそばにあることで、子どもたちが安心して新しい環境に慣れていけるように。

ただのリニューアルじゃない。「想い」を形にした場所。

手作りのベンチから、細部までこだわり抜いた木製フレームまで、このプロジェクトは単なるデザイン変更ではありません。

それは**「コミュニティ・家族・人が集まりたくなる場所をつくること」**への信念を形にしたもの。

ここは、ただの託児施設じゃない。
デザインと機能が融合し、すべての要素に意味がある空間。
子どもも、大人も、心地よく過ごせる場所。

それこそが、本当に価値のあるデザインだと、私たちは信じています。

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